「小さい頃、いじめられていたトラウマで、人が苦手になった・・・」「恋人に振られたトラウマで新しい恋愛をするのが怖い・・・」など、最近では心に負った傷のことをトラウマと言う人が非常に増えてきました。
「トラウマ」はギリシャ語で「(身体の)傷、外傷」という意味で、英語のwoundに当たる言葉です。「心の」という断りをつけないと、トラウマだけでは身体の傷を意味します。
日本でもトラウマという言葉が良く使われるようになり、「トラウマ=心の傷」という変換は定着しつつあるようです。
一般的に「傷」というと、身体にできる、擦り傷や切り傷といった目に見えるものがまず思い浮かびますが、「心の傷」というといったいどのようなものでしょうか?
心というものは目に見えませんが、その目に見えないものにどうやって傷がつくのでしょう?
身体にできた傷の場合、傷の種類は様々で傷の程度も色々あります。
放っておいても治ってしまうようなかすり傷程度のものから、骨折等の命に関わるような重症の怪我まで、程度は色々です。
これらの「身体の傷」に共通しているのは、傷がどの程度なのか目で見て分かるということです。同じ場所を同じ程度の力で引っ掻いたら、物理的な身体に、物理的な傷ができるわけですから、誰にでも同じくらいの傷跡ができるはずですし、直接目で確認することができます。
では、「心の傷」のほうはどうでしょうか?